50代男性「2、3年前に奥歯を抜いたままなので治療したい。虫歯もありそう」

2023年6月19日 2:35 pm

周りの歯に負担をかけない人工歯根「インプラント」を入れ、よく噛めるようになった症例

ご相談内容

「久しぶりの歯科受診なので、クリーニングをしてほしい。虫歯もある気がする。左下の奥歯を2、3年前に抜いたままなので治療の相談がしたい」とご来院いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見すると、右上の奥歯2本(第1小臼歯/4番、第1大臼歯/6番)と左下の奥歯(第2小臼歯/5番)は虫歯がありました。
さらに、左下の手前の歯(第1小臼歯)は詰め物が取れており、奥の歯(第1大臼歯)は抜いたままの状態でした。

また、全体的に歯ぐきが下がり、部分的に根元がえぐれていました。
このことから、日常的に食いしばる癖があると判断しました。

患者様は「インプラントを含め治療法について丁寧な説明と、しっかりカウンセリングをしてほしい」とご希望でした。

行ったご提案・治療内容

虫歯や詰め物が取れている歯は治療の必要があり、修復する材質のご説明をしました。
左下の歯2本には、金属を使用した保険範囲内の詰め物「メタルインレー」を、右上の奥歯2本には白い自由診療の詰め物「セラミックインレー」をご選択されました。

久しぶりの歯科受診ということもあり、全体的にクリーニングと歯ぐきのチェックをしたところ、軽度の歯周病があったため「歯周初期治療」として、歯石除去とブラッシング指導を行いました。
また、根元がえぐれている所は、歯科用プラスチック「コンポジットレジン」を詰めて補強しました。

歯を抜いたままの所は、人工歯根の「インプラント」、両隣の歯を削り土台にする橋渡しの被せ物「ブリッジ」、両隣の歯に金具をかける取り外し式の「入れ歯」を修復方法として丁寧にご説明したところ、他の歯への支障がないインプラントをご選択されました。

すでに抜歯から数年経ち、抜いた所の顎の骨も元に戻っていました。精密検査を行った結果、すぐにインプラントの手術が可能でした。
適正な位置にインプラントを打つための装置「サージカルステント」を作製し、インプラントが食いしばりの力に負けないよう、太く長いインプラントを埋入しました。

2ヶ月経過観察をし、インプラント安定指数「ISQ」を測ったところ、顎の骨としっかり結合していたため、被せ物にあたる「上部構造」の型取りを行い、装着しました。
その際、他の歯を守るために、噛む力を分散させる「マウスガード」の使用をおすすめしました。

治療期間の目安

5ヶ月(インプラントは3ヶ月)

治療回数の目安

初診から虫歯処置、歯周初期治療、インプラント装着までで18回(インプラントは4回)

治療費総額の目安

700,000円

術後の経過・現在のご様子

歯がなかった所にインプラントが入り、虫歯の治療もしたため、お口全体でしっかり噛めるようになりました。
患者様からは「インプラントがすぐに馴染んで、問題なく噛めている。治療してよかった」とご満足いただけました。

現在は、クリーニングとメンテナンスにご通院いただき、インプラントの経過観察をしています。

この治療のリスクについて

・決められたスケジュールを守らない場合、十分な効果が得られない可能性があります
・マウスピースに対応していない症例の場合、治療が難しい可能性があります
・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血、不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・自費診療(保険適用外治療)です

クリニックより

インプラントを行う際には、サージカルガイドを作製して、安心な位置・深さに確実に埋入いたします。

BEFORE

AFTER