50代「上の前歯がしみる」

2023年6月2日 1:53 pm

嗜好品により歯の表面が溶けた「酸蝕症」を、耐久性がある「セラミック」の被せ物で即日治療する「1Dayトリートメント」で見た目も自然に改善した症例

ご相談内容

定期検診でご来院いただいた際に「前歯がしみる。以前詰めたプラスチックが欠けている」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、上の前歯4本(右側切歯/2番〜左側切歯)に、酸を含む特定の嗜好品により歯の表面が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」が認められました。

以前からしみる症状があったため、プラスチック樹脂の「コンポジットレジン」で治療していましたが、劣化により欠けていました。

行ったご提案・治療内容

まず、保険適用のコンポジットレジンでの治療には限界があること、今後痛みが続く場合は神経を取る治療が必要になることをご説明しました。
その上で、神経を温存できるうちに、耐久性があり自然な白さの「セラミック」の被せ物を上の前歯に装着する治療をご提案しました。

この治療については7年ほど前からご提案させていただいており、現在は被せ物の治療を即日で完了させる「1Dayトリートメント」も可能であることをお伝えしたところ「そろそろ治療しなければならないと感じていた」と同意いただきました。

治療当日は朝1番の予約でご来院いただき、麻酔をして前歯4本を削り、土台の形を整えました。
その後、お口の中を撮影できる小型カメラ「3Dスキャナー」で口腔内をデータ化しました。

取得したデータをもとに、コンピュータ上で色味や形を考慮しながら被せ物をデザインし、機械でセラミックを削り出していきました。
セラミックの種類は、熱を加えてより透明感と強度が出るものと、熱を加えず費用や製作時間が抑えられるものの2つをご提案し、患者様のご希望に沿って後者を選択しました。

約2時間後、院内で待機していただいていた患者様を再度お呼びし、出来上がった被せ物を装着しました。

今回は特に目立つ前歯4本の1Dayトリートメントで、限られた時間内で完成させる必要があったため、全工程に渡り集中を切らさず、迅速かつ丁寧に治療を進めていきました。

治療期間の目安

半日

治療回数の目安

1回

治療費総額の目安

320,000円(4本分)

術後の経過・現在のご様子

歯の形や色味が周りの歯に馴染み、美しい仕上がりになりました。噛み合わせなども問題ありません。
患者様にも「歯がきれいになり、治療の負担も少なく嬉しい。もっと早くやれば良かった」と大変ご満足いただきました。

現在も定期的なメインテナンスでご通院いただいています。

この治療のリスクについて

・装着に際し、天然歯を削る必要があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です

BEFORE

AFTER