70代女性「下の歯がないところを治したい」

2024年5月1日 2:40 pm

欠損部位を部分的な入れ歯「チタン床ノンクラスプデンチャー」で補い、しっかり噛めるようにした症例

ご相談内容

「下の歯がないところを治したい。インプラント治療は怖いので、それ以外の方法で治療できるか聞きたい」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、左右下の奥歯4本(第1大臼歯/6番、第2大臼歯/7番)が欠損しており、隣の親知らず(右下第3大臼歯/8番)は欠損部位に向かって倒れている状態でした。

また、右上の奥歯(第2大臼歯)は被せ物が外れて土台がむき出しになっており、その奥の親知らず(第3大臼歯)や左下の歯2本(第1小臼歯/4番、第2小臼歯/5番)には虫歯が生じていました。
加えて、全体的に歯を支える骨が溶けてなくなる「歯周病」も進行しています。

欠損部位があることで噛み合うはずだった上の歯が空いたスペースに向かって出てきたり、欠損部位の両側の歯がスペースがあるほうに傾いて倒れたりすることが予測され、このような状況になると磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病がさらに進行する可能性があります。

虫歯や歯周病の進行を防ぐために全体的に汚れを取り除いてから、欠損部位を補う治療が必要と診断しました。

行ったご提案・治療内容

患者様はもともと骨に人工歯根を埋め込む「インプラント治療」以外の方法を希望されていたため、自由診療の入れ歯「チタン床ノンクラスプデンチャー」による方法を丁寧に説明したところ、同意いただきました。
チタン床ノンクラスプデンチャーは入れ歯を固定する金属製のバネがないため審美性が高く、チタンを用いることで保険診療の入れ歯よりも薄くて丈夫なので、使用時の違和感が軽減できるといったメリットがあります。

歯周病治療として全体的な歯の汚れを取り除き、虫歯が生じていた歯3本(右上第3大臼歯、左下第1小臼歯、左下第2小臼歯)は、虫歯を除去してから歯科用プラスチックの「コンポジットレジン」を詰めました。
土台がむき出しだった右上第2大臼歯には、プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた被せ物「CAD/CAM冠」を作製し装着しています。

入れ歯を作る前に、右下の奥歯(第3大臼歯)が欠損部位に向かって倒れて入れ歯が装着しにくい状態だったため、患者様に了承を得た上で抜歯してから入れ歯の型取りを行いました。
入れ歯を継続してご使用いただくために、下前歯の裏側を薄いプレート状の金属でサポートすることで装着時の違和感を軽減しています。

治療期間の目安

2ヶ月

治療回数の目安

9回

治療費総額の目安

500,000円

術後の経過・現在のご様子

入れ歯を装着したことで、食べ物がしっかり噛めるようになりました。
患者様からは「もともと保険の入れ歯を使っていたこともあったが長続きしなかった。今回の入れ歯は快適で長く使えそう」と大変お喜びいただきました。

現在は、定期的なメインテナンスでご来院いただいています。

この治療のリスクについて

・着脱式のため、食後の清掃が必要です
・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります
・慣れるまでは、入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります
・治療が終わった後も、十分なセルフケアが必要です
・正しいブラッシングやメインテナンスを行わない場合、歯石の付着や虫歯が生じる可能性があります

BEFORE

AFTER